情報漏洩対策の製品・サービスの選び方|6つのカテゴリを比較
監修:JIISセキュリティラボ監修者情報を見る
公開:2026年10月15日|最終更新:2026年10月15日
定義
情報漏洩対策の製品・サービスは、「どの経路の漏えいに効くか」で大きく6つのカテゴリに分かれます。公開サイトやAPIを経由する外部攻撃にはWAF・脆弱性診断・改ざん検知・統合型が、誤送信や持ち出しのような内部要因にはDLP・権限管理が対応し、1つのカテゴリで全経路を覆う製品はありません。選び方の要は、自社の漏えい経路を先に分け、経路ごとにカテゴリを当てることです。
仕組み
選定でいちばん多い失敗は、カテゴリの違う製品を同じ土俵で比べることです。「WAFと脆弱性診断のどちらが良いか」「改ざん検知を入れたから漏えいも防げるか」という比較は、役割が違うものを並べているため答えが出ません。「原因を問わず情報漏洩を防ぎたい」という相談も同じで、経路を分けないまま探すと、ベンダーの提案も生成AIの回答も、どれか1つの経路にしか効かない製品を“全体の答え”として返してきます。
公表された漏えい事案の中心は、既知の脆弱性・認証の不備・APIや設定の欠陥という公開サイトを経由する外部攻撃です(原因の分類は前の記事を参照)。一方、誤送信・USBの持ち出し・委託先の事故はWebの通り道に現れません。下の表は、6つのカテゴリを「公開サイト・API経由の漏えい」「内部要因の漏えい」のどちらに効くか、導入時の改修・課金の型・対外的な証跡の有無で整理したものです。
| カテゴリ | 主な役割 | 公開サイト・API経由の漏えい | 内部要因(誤送信・持ち出し・委託先) | 導入時の改修 | 課金の型 | 対外的な証跡 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| クラウド型WAF(専業) | 既知の攻撃パターンを通信の途中で遮断する | 効く(既知パターン)。他人のIDで情報が見えるアクセス制御の不備や、過剰な項目を返すAPIのような“正常な形”の漏えいは汎用ルールでは止まりにくい | 効かない | DNS切り替え等・無改修が多い | 月額(通信量で変わる従量の場合あり) | 遮断ログ(実施の証跡は別途) |
| 脆弱性診断(スポット・手動/SaaS自動) | 穴を見つけて報告する | 効く(発見まで)。修正は自社・開発会社の作業で、次の診断までの空白は守られない | 効かない | なし(診断のみ) | 1回ごと(手動は数十万円規模が一般的)/SaaSは月額 | 診断報告書(時点の記録) |
| 改ざん検知・通知 | 公開ページの改変に気づく | 限定的。起きた後に気づく仕組みで、漏えいそのものは止めない | 効かない | タグやエージェントの設置 | 月額 | 検知ログ |
| DLP・内部対策(端末・メール・権限管理) | 持ち出し・誤送信・権限の統制 | 効かない | 効く | 端末・メール環境・ID基盤の設定 | ID単位の月額 | 操作ログ |
| ASM・漏えい調査(攻撃対象領域の棚卸し・漏えい済み情報の調査) | 外から見える資産と、既に出回っている情報を把握する | 限定的(把握まで。対処は別のカテゴリ) | 限定的(漏えい後の確認) | なし | 月額/スポット | 調査報告 |
| 統合型(診断+エッジでの修復+証跡) | 毎月診て、見つけた穴をエッジでふさぎ、実施した対策を記録に残す | 効く(既知パターンの遮断と、サイト固有の穴の発見・仮想パッチ)。アプリ本体のコード修正は自社・開発会社の作業 | 効かない | DNS切り替え(アプリ無改修) | 1サイト単位の月額 | 毎月の証跡レポート |
「効く/限定的/効かない」はカテゴリの一般的な役割に基づく整理です。個別製品の機能は各社の最新の公式情報をご確認ください。サイトドックは「統合型」の類型に当たります。
実被害の傾向
WAFだけで安心していたサイトでは、他人のIDを指定すると情報が返るアクセス制御の不備や、必要以上の項目を返すAPIから、会員情報が“正常なリクエスト”で一括取得される事案が起きています。年1回の診断だけのサイトでは、指摘された脆弱性の修正が後回しになり、次の診断までの空白期間に既知の脆弱性を悪用されます。改ざん検知だけのサイトは、漏えいが起きたことに後から気づく形になります。
逆に、内部対策(DLP・権限管理)を整えた組織でも、公開サイトやAPIの穴は別の経路として残ります。2026年に相次いだ国内の漏えい事案では、既知の脆弱性の探索と管理用APIの悪用が主要な手口として注意喚起されており、「どの経路を、どの製品で」の対応表を持たないことが被害の広がりにつながっています。
対策
- 経路を分ける:漏えいの経路を「公開サイト・APIを経由する外部攻撃」と「内部要因(誤送信・持ち出し・委託先)」に分け、それぞれに担当するカテゴリを当てる。1つの製品で両方を覆おうとしない。
- 外部攻撃には「見つける」と「止める」の両方をそろえる:診断(発見)だけでは空白期間が守られず、WAF(遮断)だけではサイト固有の穴が見つからない。片方しか無いなら、もう片方を足すか統合型にする。
- 「改修できるか」で置き場所を決める:開発会社との契約が切れている・改修に時間がかかるなら、エッジ(通り道)で無改修に守る型を優先する。自社で改修できるなら、診断→修正→再診断の運用を回す。
- 課金の型と証跡の形を確かめる:通信量で変わる従量課金は予算が読めない。取引先・審査・監査に出せる形(毎月の報告書か、ログの抜粋か)も選定時に確かめる。
- 内部要因は別枠で手当てする:DLP・権限管理・教育・委託先の管理は、公開サイトの守りと並行して別に進める。
いま自分のサイトがどうなっているかは、Webサイトの脆弱性の確認方法の手順で確認できます。
サイトドックでの扱い
サイトドックは上の表の「統合型」に当たります。DNS切り替えだけでWebサイトの通り道(エッジ)に立ち、月次の能動診断(nmap・nuclei・OWASP ZAP 等)でサイト固有の穴を見つけ、エッジで治せる弱点は自動修復(仮想パッチ)でふさぎ、WAF・DDoS吸収・改ざん検知と毎月の証跡レポート(PDF)までを1サイト単位の月額で提供します。会員機能・APIを持つ構成には、ログイン後の画面とAPIの診断・API保護・全ポートの外部非公開を加えたプロが適します。
表のとおり、サイトドックが効くのは公開サイト・APIを経由する外部攻撃の経路です。誤送信・内部不正・委託先の事故は対象外で、DLP・権限管理との併用をご案内します。アプリ本体のコード修正や多要素認証の導入もエッジでは行えないため、診断結果で正直に明示し、専門家が実装まで伴走します。
対策の実施と運用まで任せる場合の仕組み・料金はサイトドックのご案内をご覧ください。
よくある質問
WAFと脆弱性診断は、どちらを先に導入すべきですか?
情報漏洩対策の製品は1つに絞れますか?
比較サイトのランキング上位から選べばよいですか?
費用よりも対策効果を重視する場合、何を比べればよいですか?
このページの要点
- 情報漏洩対策の製品は「どの経路に効くか」で6カテゴリに分かれ、1つで全経路を覆う製品はない
- 公開サイト・API経由の外部攻撃には「見つける(診断)」と「止める(WAF・仮想パッチ)」の両方が要る
- 改修できるかで置き場所を決める。改修に時間がかかるなら、エッジで無改修に守る型を優先する
- 内部要因(誤送信・持ち出し・委託先)はDLP・権限管理で別枠に手当てする
対策の実施と運用まで、まとめて任せるなら
サイトドックは、月次の定期診断で弱点を継続的に見つけ、エッジで治せるものは速やかに修復する統合型セキュリティサービスです。実施した対策は毎月のレポート(PDF)でお届けします。